大晦日開催の東急ジルベスターコンサート

カウコン、というとどうしてもジャニーズを想像してしまいますが、世の中にはクラシックを聴きながら優雅に新年を迎えようというコンサートもあります。そんなのがあったのかと、正直驚く人もいますが、実は毎年テレビでも生中継されていることで有名だ。意外と知らない人もいるかもしれませんが、毎年12月31日にテレビ東京系列で放送されている『東急ジルベスターコンサート』というものです。大晦日の日にテレ東のチャンネルをつけている、という人もあまりいないでしょう。放送時間的には丁度ジャニーズのカウコンと同じくらいの時間から放送開始となり、カウントダウンを生中継で行っていく。

ジャニーズを見るかジルベスターコンサートを見るかについては、天秤にかけるまでもない人もいれば、今年は興味本位で後者にしてみようかと芸術家を気取ってみる、なんてのもありかもしれませんね。クラシック音楽は聴けば歌のない退屈なものと思うかもしれませんが、楽器から奏でられる音の良さと演者によって異なる音の広がり方は秀逸だ。

そんな東急ジルベスターコンサートだが、その歴史は実のところジャニーズのカウコンよりも古かったりします。

1995年から開催

起源は1995年、その年から東京フィルハーモニー交響楽団が演奏を担当することで開催され、これまでにない閑静な年明けが出来たという人もいるでしょう。ここから現在、最新の2015年まで計20年間連続でテレビで中継されており、コンサートも毎年恒例の開催となっている。ジャニーズのカウコンはこの翌年からスタートしたことで有名だが、知名度的には断然こちらの方が上ですからしょうがない、ともいえます。

来場する人は会場となるオーチャードホールの定員である『2,150人』となっているので、ジャニーズのカウコンとは25倍近い差がある。とんでもないですが、それでも毎年開催できているのは、それだけユーザーに支えられているから、という点が考えられます。クラシックを聴きながら年越する、なんて贅沢な時間ではないか。家でも見ようと思えば見れますが、雰囲気が生活感で台無しになるのであまり推奨されません。

コンサートのメインとして

そんなジルベスターコンサートの見どころは、初回開催から奏でられ続けているラヴェルの『ボレロ』だ。バレエ音楽として様々なメディアで使用されていることから、聴いたことのある人も多いでしょう。1995年開催の折にもカウントダウン時にはこのボレロを流しながら迎えるのが定番となり、年明け瞬間にはホール内に紙吹雪が舞い散るといった演出が行われます。余談だが、この紙吹雪を舞い散らせるタイミングは指揮者の腕次第となり、タイミングが微妙にずれてしまうなどの恐れもある。演奏するのも大変ですが、紙吹雪を0と同時に舞い散らせるかが、このコンサートでの見どころだ。

そう考えると、常連の人たちにしたら紙吹雪の舞い上がり方を批評する、なんて人たちもいるかもしれません。

失敗もある

ただやはり中には公然と失敗と言える回もあったとのこと。演奏終了とカウントダウンが間に合わなくて、少しずれて紙吹雪が舞い上がるという事例もあった。しかしそれを公式が認めたくないのか、殆ど成功していると失敗について言及していないというから面白い。指揮者のプライドも少なからず関係しているでしょうが、それでも演奏をきちんとまとめ上げることが指揮者のすべきことですから、音楽が変にならなければ良いほうだ。間を掴む、そんな芸人みたいな事を指揮者に求めるほうが難しいのでは、と思ってしまいます。

毎年定番のイベントとして

コンサート名でもある『ジルベスター』についてですが、こちらはドイツ語で『大晦日』という意味合いを持っており、本国ドイツでも大晦日ではジルベスターコンサートを行っているというのだ。つまりこの東急ジルベスターコンサートはいわば日本版であり、大晦日から元旦にかけて開催されるクラシックコンサートのイベントでは超がつくほどの有名なものです。見てみたいと思う反面、クラシック音楽は伝統を尊重するため堅苦しい年明けになるのではと思うかもしれません。しかし実際にはそれまで厳格に執り行われていたコンサートから一転して、新年を祝い合うために華やかさが彩られることでも有名だ。

クラシックのイメージとは似つかないが、日本人にとって新年を迎えることの重要性と素晴らしさを重んじての演出と言えるでしょう。日本の音楽ではないが、時に日本的な楽しみ方も導入されるジルベスターコンサート、もし何かしら機会に恵まれればこれまでとは違った年越しをしても良い。とはいえ、12月31日は全体的にあらゆる人が大忙しですから、心のゆとりを持って年を越せる人くらいしかこんな優雅には過ごせなさそうだ。